決して軽視できない司法試験短答式試験

令和7年司法試験の結果が発表されました。法務省発表のデータによると、以下の通り整理できます(小数点3位以下切り捨て)。

受験者数 3,837人
短答式試験合格者数 2,902人
短答合格率 75.63%
最終合格者数 1,581人
短答合格者中最終合格率 54.47%
最終合格率 41.20%

次に、令和7年の短答式試験のデータを示します。

最高点 167点
最低点 19点
合格点 81点
平均点 102.1点
短答合格者平均点 110.6点

まず、「司法試験の方式・内容等について 令和6年12月4日司法試験考査委員会議申合せ事項 第3 短答式試験と論文式試験の総合評価 3 短答式試験と論文式試験の総合評価 (1)総合評価の方法 イ」によると、「合算の際の配点については、短答式試験と論文式試験の比重を1:8とし、総合点は以下の算式により計算する。」とあります。
  
  算式 = 短答式試験の得点 +( 論文式試験の得点 × 1400/800 )

令和7年司法試験の合格点は770点ですが、ここから±5点(差は11点)の人数は83人となっています。±10点(差は21点)だと152人、±15点(差は31点)だと231人となります。短答式合格者数が2,902人ということを考えれば、11~31点といえども決して軽視できない数値です。

前述した算式によると、短答式と論文式の比率は1:8とはいえ、短答式についても最終合格のための点数として反映されています。司法試験法第2条第2項でも「司法試験の合格者の判定は、短答式による筆記試験の合格に必要な成績を得た者につき、短答式による筆記試験及び論文式による筆記試験の成績を総合して行うものとする。」とあります。つまり、短答式試験を最低点の81点で合格することよりも、112点(81点+31点。なお、短答式合格者平均点は110.6点)で合格したほうが、最終合格の合否ラインに立った時明らかに有利です。もちろん、これよりも高い点数をとればさらに有利になりますが、現実的なタイム・コストパフォーマンスとの関係で満点の8割である140点をめざす勉強がよいでしょう。

そして、短答式試験については、正解か誤りかが明確であり、原則としてブラックボックスの論文式試験と比較して、点数をとる方法は論文式試験に比べて明らかです。現に、論文式試験の順位では不合格だったが、短答式試験で点数をとっていたため、ぎりぎり合格できたという受験生もいらっしゃいます。

令和7年の司法試験を受験され、短答式試験を合格された方は、成績通知書が郵送されたころかと思います。惜しくも、合格に一歩届かなかった方もいらっしゃることでしょう。もちろん、来年の受験に向けて答案練習などの論文式試験の対策も重要ですが、短答式試験の点数を伸ばす学習をすることも合格に向けた戦略のひとつではないかと思います。

(2025.11.27)

 
 

一覧に戻る