コロナウイルス電話相談

 先般、大阪弁護士会で行われた「新型コロナウイルスに関する事業者・労働者等向け無料電話相談」について、ウィステリア・バンデル法律事務所弁護士が相談担当を行いました。詳細は守秘義務の関係上差し控えますが、使用者(事業者)・労働者ともに休業補償に関する相談が多かったです。

 その上で相談時に感じたのは、こういった騒ぎの時にブラック企業のブラック体質・本性が出てくるということです。解雇にしても、出勤強要にしても、使用者が会社(さらには社長や上司自身)の都合しか考えないということ、そのためには労働者(部下など)のことはどうなってもよいということ。それでも、労働法など法令をきちんと守る、あるいは守ろうとする姿勢を見せればよいのですが、法律すらまともに守る気のない使用者もいます。

 その前提として、労使ともに、労働法の基本的に考えすら知らないという人は意外と多い感じがします。ブラック体質は、単に使用者の規範意識・遵法精神の欠如というだけでなく、法に対する無知からくることもあります。それでも疑問に思って弁護士等専門家に相談していただければよいのですが、思い込みや誤解で判断・実行してしまう例も相当数あります。その結果、労使トラブルに発展し、最悪の場合訴訟ということになってしまうわけです。

 事前の相談で防げるトラブルも少なくありません。特に、今回のような非常事態について、専門家と密に連絡を取って、対処していただきたく思います。そのためにも、こういった電話相談を利用していただくのは良いですし、当事務所でも労使双方から、可能な限り法律相談等の対応はさせていただきたく思います(なお、当事務所では電話相談は行っておりませんが、スカイプ相談は可能です)。
(2020.03.22)




大阪弁護士会「新型コロナウイルスに関する事業者・労働者等向け無料電話相談」
http://soudan.osakaben.or.jp/?p=880

大阪)中小事業者らに無料電話相談 感染拡大で弁護士会(2020年3月10日 朝日新聞デジタル)
https://www.asahi.com/articles/ASN39771JN39PTIL01J.html



 

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