メール、DMによる脅迫等

 ウィステリア・バンデル法律事務所への相談で多いのは、メールやツイッターなどのDM(ダイレクトメッセージ)による脅迫等です。多くは被害者の方からの相談なので、被害者側の視点で考えてみたいと思います。なお、お題箱やマシュマロも基本的には同じと考えてよいと思います。

 脅迫があれば、慰謝料請求等の損害賠償請求、あるいは脅迫罪として警察に被害届の提出、といったことが考えられます。これは、メールやDMであっても同様です。ところが、メールやDMの場合、犯人(やや不正確ですが、メール等の送り主の意味で考えてください)がわからないということがあります。犯人の住所や氏名がわからないと、訴訟提起等の法的措置を採ることはできません(厳密には住所がわからなくても、公示送達という最終手段はありますが、ハードルは低くありません)。そこで、いわゆる発信者情報開示手続を採ることになります。

 ところが、メール・DMなど、不特定多数に発信していない場合、法的な意味での発信者情報開示手続を採ることができません(法律上の細かな説明は割愛します。なお、表現は多少不正確です)。そうなると、任意開示や弁護士法第23条の2に基づく照会(弁護士会照会)といった方法しかありませんが、管理者(ツイッターやメール管理会社等)やプロバイダが開示に応じなければ、それまでです。そして、個人情報保護の観点から、開示に応じるケースは多くありません(なお、マシュマロについては、弁護士会照会であれば基本的に開示に応じる傾向があります)。
  
 他方で、警察に相談という方法は十分ありうるところかと思います。しかし、警察が犯人を特定するということは、なかなか難しく、相談の実績を作っておくこと、被害者の方の近くを重点的に警戒してもらうようお願いすることなどが目的になります。
 
 もし、こういった被害に遭われたのであれば、必ず弁護士にご相談ください。特に、現実世界で具体的な被害を受け、あるいはその予告等がある場合など、一刻を争う場合もございますので、できるだけ早めに相談予約をとっていただきたく思います。
(2021.02.19 加筆・修正)
(2019.05.05)


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