退職代行から連絡があった場合

 退職代行については、ウィステリア・バンデル法律事務所でも取り扱い業務としていますが(時効援用サービスとともに独立したページは削除して、内容証明郵便業務の中に組み入れました)、企業の方から、退職代行から連絡があった場合の処理方法について、お問い合わせ受けることがあります。

 まず、退職代行が弁護士の場合、基本的には真摯に対応してください。一応、弁護士が法律相談でスクリーニングかけて受任している以上、法的に通らない主張はまずしないと考えてよいと思います。もちろん、即答せずに弁護士に相談するようにしてください。「弁護士に相談します」といって、拒絶反応をする弁護士はいないでしょう。

 問題は、いわゆる非弁業者の退職代行です。非弁業者とは、弁護士以外の代行業者であり、個別事案にもよりますが、弁護士法との関係でかなりグレーであるというのが多くの弁護士の見解です(少なくとも、真正面から非弁業者の退職代行を容認する弁護士はほとんどいません)。そうすると、企業側としてそもそも退職代行業者と話をして、退職を取り付けたとしてもそれが有効かどうかが問題となります。また、本人と退職代行業者間のトラブルも多発しており、それに会社が巻き込まれる可能性もあります(たとえば、後になって「退職代行業者の退職の意思は無効だ」などと、本人が主張してくる可能性もあります)。
 ですので、非弁業者の退職代行の場合は、原則として退職代行業者を相手にせず、本人と直接連絡を取るようにしてください。退職代行業者にそれを阻止する権利はありません。その上で、本人からきちんと文書で退職届を提出してもらうようにしてください。また、就業規則等で「退職の意思は書面によるものとする」などと明記するようにしましょう(横浜地裁昭和38年9月30日判決-全日本検数協会事件-参照。なお、就業規則の不利益変更にあたる可能性もありますので、事前に弁護士に相談してください)。
 
 いずれにしても、退職代行業者と名乗る者から連絡があった場合、即答せず、直ちに弁護士に相談してください。会社側で退職を争わない(即時退職を認める)場合でも、後日のトラブル防止のため、やはり弁護士に相談することが望ましいです。
(2019.04.22)

参照条文

(非弁護士との提携の禁止)
第二十七条 弁護士は、第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(非弁護士の虚偽標示等の禁止)
第七十四条 弁護士又は弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。
2 弁護士又は弁護士法人でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。
3 弁護士法人でない者は、その名称中に弁護士法人又はこれに類似する名称を用いてはならない。

 


 

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